まるで異世界。秘密のご褒美時間
話題の新テーマパーク「ジャングリア沖縄」から北西へ車を走らせること約30分。レンタカーのナビを頼りに進むうち、道幅は次第に狭まり、両脇から生い茂る亜熱帯の植物が覆いかぶさるような緑のトンネルへと変わっていく。
「本当にこの道で合っているのだろうか…?」
そんな一抹の不安が胸をよぎりながらも、なんとか目的地に到着。
駐車場に車を停めると、アンティーク感のあるアイスクリームワゴンが…あれ?移動販売用ポップコーン用ワゴンだ。うーん、謎過ぎる!(笑)
駐車場から建物を目指して歩くと、生い茂る緑の中にブルーの案内看板が。
そこからすぐに建物入口に到着。“秘密の隠れ家感” がすごい。
しかし、こういう非日常な風景が逆に期待を高めてくれます。(オラ、ワクワクすっぞ!)
このアンティークな建物こそが、絶景カフェ「アイスクリンcafeアーク」。
美ら海水族館からもほど近い本部(もとぶ)の、緑深き丘の上にある隠れ家カフェです。
森の先に浮かぶ”ノアの箱舟”
この独創的な建物は、元建築家のオーナー上間さんが30年の歳月をかけて構想し、さらに10年もの時間を費やしてほぼ手作りで完成させたというから驚き。
「ノアの箱舟」をイメージして設計されたのだとか。まさに唯一無二の存在感!
店内へ足を踏み入れると、味わい深い流木、琉球石灰岩、貝殻やサンゴなどがいたるところに配されています。
椅子、テーブル、装飾品に至るまでアンティーク調で統一された空間は、まるで小さな美術館のようです。
扇風機がいくつも配置され、室内の空気を心地よくかき混ぜる中、ハワイアンミュージックが流れるゆったりとした空間では、時の流れが穏やかに感じられます。
“アイスクリン”とは? – 夏の原風景と懐かしの味
このカフェの主役は、沖縄で長年愛されてきた「アイスクリン」。さて、そもそも「アイスクリン」とは、どのような食べ物なのか。
多くのアイスクリンは「氷菓」にあたり(ラクトアイス規格もあり)、一般的なアイスクリームに比べて乳脂肪分がぐっと低く、サクサクとした軽やかな食感で、派手さはありませんが素朴で懐かしい風味が特徴です。
パラソルを立てたアイスクリンの販売スタイルは、沖縄だけでなく、高知県などでも見ることができます。秋田の「ババヘラ」、青森の「カランカランアイス」、長崎の「ちりんちりんあいす」など、日本各地でそれぞれ独自の発展を遂げたアイスクリン文化が存在します。
そしてここ沖縄において、その文化を創り上げ、県民の夏の原風景として深く根付かせたのが、1975年創業の「株式会社 沖縄ビッグアイス」です。「アイスクリンcafeアーク」を運営する同社こそが、沖縄アイスクリン文化の立役者といえます。
ババヘラならぬギャルヘラ?!
現在は道路交通法の関係であまり出会えなくなりましたが、ちょっと前までは灼熱の太陽の下、国道沿いなどで見かける青と白のパラソルは夏の日常風景でした。そこでヘラを手に笑顔を向ける学生アルバイトの姿は、まさに夏の訪れを告げる風物詩。秋田で熟練の女性(ババ)が盛る「ババヘラ」に対し、沖縄の女子学生が盛るアイスクリンは、「ギャルヘラ」といったところでしょうか。
「アイスクリンcafe アーク」は、そんな歴史と文化が詰まった、いわば”沖縄アイスクリンの聖地”。かつて路上販売でしか味わえなかったあの味を、カフェスタイルで体験できる場所なのです。
どれを選ぶ?南国の恵みが詰まったカラフルメニュー
ショーケースにずらりと並んだ、色とりどりのアイスクリンは、まさに”アイスクリン天国”。
心ときめく、常時12種以上のフレーバー!
バニラ、チョコ、ストロベリーといった定番フレーバーから、沖縄ならではのフレーバーまでがずらりと並びます。
- 沖縄フルーツ系: シークヮーサー、パイン、グァバ、パッションフルーツ、タンカン、マンゴー
- 沖縄素材系: ベニイモ、サトウキビ
- 定番&レアフレーバー: アセロラ、ラムレーズン、レモングラス、サクラなど
<価格>
- シングル: ¥580
- ダブル: ¥660
- カラフル(5種類選べます!): ¥720
筆者のおすすめは「カラフル」。5種類も選べてこの価格は断然お得。
美しく盛り付けられた5色のアイスクリンは、食べるのがもったいなくなるほど。サクサクのワッフルコーンとの相性も抜群です。
アイスクリン3種盛りにフルーツが乗ったパフェメニューも豊富。ワッフルは一枚一枚手焼きしていてサクサクで香ばしい。アイスとの相性も抜群です。
息をのむ絶景タイム。空と海に溶ける至福のひととき
このカフェのもう一つの主役は、何と言ってもその景色。 すぐ横に広がる青い東シナ海。天気が良いとその先に浮かぶ伊江島の「タッチュー(城山)」が見えます。
日頃の疲れを癒してくれる、沖縄らしい絶景です。
そして、屋上へ上がれば視界を遮るものは何もない、山と海 360度のパノラマビューが広がります。
眼下には本部(もとぶ)の海、遠くには瀬底島や水納島。特に空と海がオレンジ色に燃えるサンセットタイムは格別です。
夕陽に照らされながら食べるアイスクリンの味は、きっと一生忘れられない思い出になるでしょう。
ドキドキの冒険の先に、最高のご褒美が待っている
「アイスクリンcafeアーク」は、50年の歴史を誇る沖縄のソウルフード、オーナーの情熱が結晶となった建築美、そして息をのむ絶景が融合した、唯一無二の空間。
目の前に広がる光景こそが、このカフェ最大のスパイスといえます。
「ジャングリア沖縄」や「美ら海水族館」を訪れた際には、ぜひこの秘境の隠れ家カフェへ。
亜熱帯の植物を抜けた先には、沖縄旅行を最高に彩る素敵なご褒美が待っています。
アクセス情報
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住所:沖縄県国頭郡本部町浜元950-1
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電話番号:0980-51-6565
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営業時間:13:00〜18:00(ラストオーダー17:30)
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定休日:インスタグラムで更新
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駐車場:無料(広めで安心)
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支払い方法:現金のみ